1898人が本棚に入れています
本棚に追加
「おまたせ」
一花と母親が切り分けたロールケーキと飲み物をテーブルへと運ぶ。一花が零二の隣へ座ると、父親が口を開いた。
「一花、良い人に出逢えて良かったな」
「お父さん……。うん、私もそう思う」
「心配してたのよね、あんまり言うのもと思いつつ。でも安心したわ」
「ありがとう。それでね、今日は……紹介というか、それだけじゃなくて」
一花の視線に零二は、姿勢を正すと真っ直ぐ一花の両親を見て言った。
「一花さんと結婚したいと思っています。お付き合いさせていただきながら、挨拶が遅れてしまいすみません」
「一花も同じ気持ちか?」
「うん」
それを聞くと父親はゆっくりと頷いた。
「それなら何も言うことはない。二人で幸せになるために頑張りなさい」
「……ありがとうございます」
「お父さん……ありがとう」
無事挨拶を終えた後零二の仕事の話やこれからのことなど、いろんな話をした。話が終わると二人は、一花の部屋でひと息ついていた。
「緊張した……。」
最初のコメントを投稿しよう!