夢が叶った夜

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「おまたせ」  一花と母親が切り分けたロールケーキと飲み物をテーブルへと運ぶ。一花が零二の隣へ座ると、父親が口を開いた。 「一花、良い人に出逢えて良かったな」 「お父さん……。うん、私もそう思う」 「心配してたのよね、あんまり言うのもと思いつつ。でも安心したわ」 「ありがとう。それでね、今日は……紹介というか、それだけじゃなくて」  一花の視線に零二は、姿勢を正すと真っ直ぐ一花の両親を見て言った。 「一花さんと結婚したいと思っています。お付き合いさせていただきながら、挨拶が遅れてしまいすみません」 「一花も同じ気持ちか?」 「うん」  それを聞くと父親はゆっくりと頷いた。 「それなら何も言うことはない。二人で幸せになるために頑張りなさい」 「……ありがとうございます」 「お父さん……ありがとう」  無事挨拶を終えた後零二の仕事の話やこれからのことなど、いろんな話をした。話が終わると二人は、一花の部屋でひと息ついていた。 「緊張した……。」
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