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「私も緊張したよー。」
「一花さん、自分の両親でしょ?」
「そうだけど……なんかあの空気がね。でも言ってた通り、反対とかなかったでしょ?」
「うん。なんかすごい気が抜けた……。」
「いいよ。私の部屋だし、くつろいでて」
その時、突然部屋のドアが開いた。
「あ……初めまして。弟の隼人です。姉ちゃん、おめでと」
「……ありがとう」
突然のことに、ノックがなかったことを怒るのを忘れた一花。ちらっと零二を見たかと思うと、隼人は笑って言った。
「俺出掛けるんで、好きなだけいちゃついてくれていいですよ、お兄さん」
「隼人!!」
それだけ言うとドアを閉めた。追いかけるようにドアを開けるも、隼人はすでに階段を下りた後だった。
「もう!! ごめんね、あんな弟で……。」
「いや……そっか、俺義理の兄になるんだなぁ」
「本当に昔は可愛かったのに。零二くんに失礼じゃない」
隣で怒っている一花を見て、零二は微笑んだ。
「一花さんが怒ってるの、すごい珍しいよね」
「そう、かな? 隼人にはよく怒ってるかも。いつもノックせずに入ってくるし、可愛くないことばかり言ってくるから」
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