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自然と一花から笑みが溢れた。
「これ私のLINEです」
「じゃあ読み取りますね」
心なしかQRコードを読み取る携帯が震えているように見えた。
「あ、可愛いですね。飼い猫ですか?」
「はい。ユキって言うんです」
「白猫だから?」
「はい。そのまま雪から取りました」
男性のアイコンを見ると名前は零二となっていて、アイコンは一花と同じで猫、背景は夜空だった。
「れいじさん?も猫好きなんですね」
「はい。今三匹飼ってます」
なるほど、だからかと思った。アイコンの猫は三匹、くっついて伸びて寝ている物だった。黒猫にキジトラ、パッと見はアメリカンショートヘアーだろうか。
「猫いいですよね。癒されます」
「癒されますよね。寝顔見てるとこっちまで眠たくなってきたり」
そうそう、と零二は相槌を打つ。お互い猫好きと分かり、一花はすっかり零二を見る目が変わった。
初めはあんなに嫌だったけど、猫好きだし話してみると良い人そうかも。ダメだなぁ、勝手に自分の中で悪く作りすぎては。
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