再会

8/26
1887人が本棚に入れています
本棚に追加
/296ページ
 自然と一花から笑みが溢れた。 「これ私のLINEです」 「じゃあ読み取りますね」  心なしかQRコードを読み取る携帯が震えているように見えた。 「あ、可愛いですね。飼い猫ですか?」 「はい。ユキって言うんです」 「白猫だから?」 「はい。そのまま雪から取りました」  男性のアイコンを見ると名前は零二となっていて、アイコンは一花と同じで猫、背景は夜空だった。 「れいじさん?も猫好きなんですね」 「はい。今三匹飼ってます」  なるほど、だからかと思った。アイコンの猫は三匹、くっついて伸びて寝ている物だった。黒猫にキジトラ、パッと見はアメリカンショートヘアーだろうか。 「猫いいですよね。癒されます」 「癒されますよね。寝顔見てるとこっちまで眠たくなってきたり」  そうそう、と零二は相槌を打つ。お互い猫好きと分かり、一花はすっかり零二を見る目が変わった。  初めはあんなに嫌だったけど、猫好きだし話してみると良い人そうかも。ダメだなぁ、勝手に自分の中で悪く作りすぎては。
/296ページ

最初のコメントを投稿しよう!