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ポケットを探って、小さく折りたたまれた紙片をアルフィナは取り出した。手配書らしい。開いて皆に見せながら、アルフィナは続ける。 「今いないみたいですけど、でも、キッドさんや皆さんが相談に乗ってくれたから。ありがとうございます。でも、本当ならこの人がいれば……」 キッドがみっつ瞬きをした。ルルーナが手配書を覗き込んだ。 「あら。いるわよ、この賞金首」 「え?」 平然と言うルルーナにびっくりして、アルフィナは素っ頓狂な声を出した。ルルーナは別に気にする風もなく、手配書を見つめながら繰り返した。 「いるわよ。今、まさに、ここに」 アルフィナが目をパチクリと瞬かせている。     
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