水瓶座・1

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水瓶座・1

翌日。アルフィナは雑貨屋のトントールに連れられて街の東にある広場に向かっていた。ルルーナがついて来たがったのだが、事情があって行かれないということだった。代わりと言うではないが、昨夜の宿の面倒だけは彼女が見た。アルフィナの祖父母が止まっているという宿に連絡をしてくれたのもルルーナである。  アルフィナに同行を申し出た者は多かったが、その中からトントールを指名したのもルルーナの心遣いであった。トントールは外見に似合わず面倒見のいい男で、やや粗忽なところに目をつむれば少女の同伴者として酒場の中ではまず彼ほどの適任はいなかった。 「ついてきてくれて、ありがとうございます」 道すがら、未知の場所への緊張を隠しながらアルフィナは言った。 「いや、俺も仕事の一環だから」     
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