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国を思う父の気持ちは解っているつもりだった。
傍で父の政策を手伝ったり、話しを聞いていたサクヤは父が間違った選択を一度もしたことがないのも知っていた。
けれど…
サクヤは葛藤と戦っていた。
国のために、なぜ男の俺が都の名も知らない貴族の元へ嫁がなければならないのか…!
また怒りはふつふつと沸いてきたが、目の前の年老いた父をもう責める事はできなかった。
サクヤは踵を返すと歩き始めた。
使用人達の視線は相変わらず向いていたが、やっぱり気にならなかった。
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