サクヤ

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「男の俺がなぜ嫁になど行かなければならないのですか!」 サクヤはもう、何度したかわからない質問をホオデリに投げ掛けた。 「なぜ俺が…都なんかに…!」 国の情勢で、毎年都に献上するはずの酒が作れなくなり咎めを覚悟していたホオデリに、資金の援助の提案を持ちかけてきたのが都に住むある貴族だった。 その貴族は資金の援助の代わりにホオデリの息子サクヤを所望したのだった。 初めて話しを聞いた時、ホオデリは何かの間違いだと思った。 サクヤには二つ上に姉のイワヒメがいた。 嫁にというなら、姉の方だと思うのが普通だろう。 しかし、何度訊ねても先方が所望するのは息子の男のサクヤだった。
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