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らここに来た」
「だからって……」
あたしは、ふーっとため息をつく。
自分が天使だとあたしに現実を突きつけてきたように、今度はあたしがこいつに現実を突きつけるのだ。死者の魂をはこぶだって? たまったもんじゃない。あたしは、生きたいんだ。勝手に殺すな。
「ねえ? エイト」
「ん?」
「質問いいかな?」
「なんだい?」
「神様があたしに"死んだ認定"だっけ? を下したからあんたのこと、あたしは見ることが出来るのよね?」
「そうだよ」
「ってことはあたし死んだの?」
「それ以外になくない?」
やっぱり。
「死んだ人間は、自分の母親と会話できるのかしら?」
「できないだろうね」
しばらくの間が訪れる。
彼の表情が目まぐるしく変わるのが面白くてたまらなかった。こんなに面白いお客が来たのはいつぶりだろうか。
「え? え? ちょっと待って? 嘘でしょ? 」
何気にこの状況を楽しんでいる自分がいることにあたしは薄々と気がついていた。それと同時に、くだらないという感情が同居していることに目を逸らすことも出来なかった。
「さっき見たでしょ? あたしと母さん、会話してたじゃない」
「そ、うだね。そうだ。うん、この
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