プロローグ

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な時間だったんですもの。でも、この子が生まれて思い出したんです。 なんだか、この子はあなたのような気がして。きっとあなたは、仕事熱心な方でしたからしっかりとポイントを貯めて輪廻の輪に入れたのではないのでしょうか。そして、私の元に生まれて来てくれたのではないでしょうか。あなたが受けられなかった愛情を、私はこの子に沢山注いでいます。 もう1回言っておきましょう。 神様はきちんとお仕事されているでしょうか? 意外とおちゃめな方なのですね。だって、神様がミスをするなんて! でも、私はそのミスに感謝せざるを得ません。なぜって? そのミスのおかげであなたと出会えたのですから。 あなたが初めて私の前に現れたのは、確か、今日と同じようにとても厳しい寒さの日でした。入院生活に飽き飽きしていた私の元に、非日常が舞い降りてきたのです。 あの時はトゲトゲしていてごめんなさいね。 だって信じられないでしょう? 毎日沢山の人が死んで天国は毎日が繁忙期。まあ、百歩譲ってもこれはわかるわ。神様は、天使に間違って死者が現世に留まらないように連れてくるように命じる。まあ、よしとしましょう。 でも、あの時の私はまだ生きていたのよ?!
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