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1.
「誰?」
長い入院生活を送っていると、冬の寒さを感じることも許されない。検査、リハビリ、投薬、診察。何の変哲もなく、味気ない毎日をあたしは繰り返し繰り返し過ごしていた。
ぼーっと窓の外を眺める。真っ青に澄んだこの冬の空が、あたたかいのか、はたして冷たいのか。それすらもあたしにはわからない。あの雲なんて、意地悪な問いかけをしてくる悪魔の笑顔のようにさえ見えてくる。
「天使だよ」
と言いつつも、この部屋を希望したのはあたし自身だから文句なんて言えない。あたしの部屋の窓からは"空"しか見えないようになっているのだから。そういう部屋に移動させてもらったのだ。四季によって色付く木々なんてみたくない。外の世界なんて、みたくない。
学校になんて、しばらく行ってないどころの騒ぎじゃないから見舞いに訪れる友達だって親友の美琴を除けばあたしにはいなかった。
だから、あたしの目の前に男の子が現れた時には心臓が止まるかと思うくらい驚いた。ただでさえ、止まるか止まらないかの瀬戸際だというのに本当にやめて欲しい。
彼はどう見たってお医者さんには見えなかったし、看護師さんでもなさそうだった。美琴が急
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