第1章 エイト

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2. 彼が天使だと信じざるを得なかった。 だって、目の前で起きたことなんだもの。 しかし、だ。仮にもしも目の前にいるこのイケメンが天使だとして、なぜあたしの前に現れた? やはり、疑問はここへ到達する。 母さんとあたしが、毎日繰り返されるルーティーン化された会話をしてる中、彼は天使のような微笑みで(悔しいけど、かっこよかった)大人しくあたしのベッドの端に座っていた。一部始終を見届け、母さんが部屋をあとにした瞬間に、エイトは待ってました! と立ち上がる。 「さ、もうわかったでしょ? 僕も仕事だからね。もうそろそろ出発したいんだけども」 「信じるわ」 「え?」 「あんたが天使だって、信じる」 あたしが、そういうと 彼の表情に花が咲いた。あたしは、すぐにその花を摘み取りたくなる症状に駆られる。なぜって? あたしは花が嫌いだった。だってすぐに枯れちゃうんだもの。永遠の美しさを保てる花があるならば別だけれども。 「そ? 信じてくれる? それは、よかった!! じゃあ、行こう!」 「どこへ?」 「天国だよ」 「天国って……あんたは、……エイトは、死者の魂を天国に運ぶ仕事をしているってことであってる?」 「そ。だか
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