来ちゃいました!

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 め……るの……  めざ……ので……  ……  ……  ……目覚めるのです。  何処からか声が聞こえてくる。  眩しい光に包まれ、俺はゆっくりと瞼を開いた。 「お待たせしました、丹一さん。私は……」  ベッドから体を起こすと、30センチほどの小さな雲に乗った、キラキラと光るタコが視界に入る。 「なんだ、ダブルピヨシックス(ミミズを吐き出すヒヨコ)か。眠いから寝るぞ」 「ダブルピヨシックスではありません。私の名前は達燻命(たっくんのみこと)……神です。神聖な祭りに参加された、その功績を称えに参りました」 「神……だと? 俺には無縁の存在だ。それに……」 「怪しくないですよ? ほらっ、ご要望があれば墨だって吐きます。ほらっ、ほらっ!」  怪し過ぎるから関わりたくない。しかし、このままでは部屋が墨で染まってしまうだろう。 「分かったよ。ちょっと目を閉じてろ」  素直に目を閉じる神をビニール袋へと押込み、バイクで近くの水族館へ向かう。  そして、誰もいない早朝の水族館へと忍び込み、タコの水槽へ神を投げ入れた。 「仲間の下へ帰れ……ミッションコンプリートだ」  タダ働きは勘弁して欲しい。切に願いながら、俺はバイクを走らせる…… 【完】
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