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「目覚めるのです」
また出た。塩茹でしたから、先程より少しだけ赤い。
どうやら夢ではなさそうだ。夢と現実の違いくらい分かる。
「……分かった、起きるよ。それで、功績がどうとか言ってたな」
「はい。五丁目さんは神聖な祭りで、群を抜いて多大な功績をあげられました。まさか、あんなにも作品を生み出すとは……伝説の鳥は、今でも語り継がれていますよ」
「それで、何かくれるのか? それとも、願いを叶えてくれるとか?」
「あなたの心を覗かせて頂きますね……美女……美少女……女子高生……ハーレム……×××……△△△……〇〇〇……」
「どうした?」
「はっ、鼻血が……」
「早く願いを叶えてくれよ」
「無理です。さようなら」
「待てい!」
神の頭を鷲掴みにする。ハンドボールくらいの大きさだろうか? いや、そんな事はどうでもいい。とにかく願いを叶えて貰おう。
「……分かりました。しかし、心からの願いは無理です。これで勘弁して頂けませんか?」
タコは少し壊れたタコ型タブレットを取り出し、パスワードを打ち込んで秘密のデータを見せた。
「こっ、これは!? まさか、こんな宝が……h〇oriさんにli〇eさん、更〇さんに瑞〇さんまで……なっ!? 束〇さんに女神のmi〇oriさんだと!? やるじゃないか! それで、黒猫と白猫のあ〇さんとあ〇す姫は? 妖精の兎〇助は何処だ!?」
「黒猫と白猫と妖精のデータですか……先月、清水画伯の家でカラスにタブレットのデータを壊され、頑張って修復しているところです」
タコはショボンとした。
俺もショボンとした。
……
……
「願いは叶えました。では、さようなら」
「待てい!」
まだ利用価値はありそうだ。逃がさない。
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