13人が本棚に入れています
本棚に追加
五丁目さんの家から逃げ出したタコだったが、何故かもう一度、家の前へと戻っていた。
窓から部屋を覗き込み、笑顔でトントンと合図を送る。すると、窓が開かれ暖かい部屋へと入る事が出来た。
「ふふっ……タコさん、いらっしゃい」
「お久しぶりです、麗夢さん」
清楚な美人がベッドから体を起こして微笑む。
「体調は如何ですか? いくら永遠の23歳でも、無理をしてはいけませんよ」
「あら、まあ……ふふっ」
「今日は五丁目さんの誕生日を祝いに来たのです」
「それは、喜んでいたでしょう」
「ええ、涙を流して喜んでくれました」
※タコはサラッと嘘を吐きました
「それで、お世話になった麗夢さんにも何かお礼が出来ないかと……こちらをお持ちしました。私は神ですが、何の力も持っていません。せめて気持ちだけでもと思い、心を込めて描かせて頂きました。皆さんとは違い、お見せするのも恥ずかしいイラストですが、良かったらどうぞ。私たちはネットという媒体でしか交流できません。でも、心は温かい絆で繋がっています。遠い愛知の空から、五丁目さんと麗夢さんが笑顔で腕を組んで散歩してる姿を想像して、お二人の幸せを願っています。では、また笑顔を見せて下さいね」
タコは丁寧に窓を閉め、何度も足を振りながらお日様に向かって飛んで行った。
最初のコメントを投稿しよう!