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「くっ、俺としたことが、油断した。早くミウを捜さないと! どうすれば良い? 何か方法が・・・。」
《落ち着け。お前が慌てていてどうする。何のためにその力があると思っているんだ。》
その声を聞き、一度呼吸を落ち着かせる凌馬。
「ああ、分かっているさ。もう大丈夫だ。俺の力はミウやナディを守るためにあるんだからな。」
凌馬はそう言うと、『無職からの脱出』を発動させていた。
─???─
「あれ、ここはどこ? パパー、お姉ちゃーん。いないのー? ぐすっ、ひっく───。」
ミウは不安になり泣き出しそうになる。
『くーん、くーん。』
カイとソラは、ミウを慰めるために顔を擦り付けながら鳴いていた。
「ぐすっ、ありがとうカイ、ソラ。」
ミウはふたりに抱きつくと、しばらくそのまま時間だけが流れていた。
「よし! 私がしっかりしないとだね。ごめんねカイ、ソラ。」
『ワン!』
尻尾を振りながらカイとソラはミウに答えていた。
「でも、ここはどこなんだろう? さっきの場所とは全然違うし。」
ミウが辺りを見渡すと、そこには草原が広がっていて近くには湖がある場所であった。
ミウは取り敢えず凌馬たちを捜すために、ソラに跨がると湖の方へと向かっていく。
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