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周囲の警戒はカイがいつも以上に厳重に行っていた。
凌馬が居ない今、ミウを守るのは自分達の最優先事項であると考えてのことであった。
段々と湖に近付いていくと、カイとソラは人の気配を感じ取っていた。
情報収集のためには、多少危険を犯しても必要なこととそのまま進み続ける。
「あれ、どうしたの? ひとり?」
ミウに話し掛けてくる声があった。それはミウよりも少しばかり年上の十一、二歳くらいの女の子であった。
「私の名前はミーナ。こっちの子はアル、ピピ、クーって言うの。宜しくね。」
ミーナと名乗った少女は、犬、鳥、リスを順番に紹介していった。
「わ、わたしはミウ、この子たちはカイとソラって言うの。大人しくて良い子達なの。」
ミウもミーナに自己紹介をしていく。
「ミウちゃんって言うんだね。うわー、おっきい子達だね。でもふたりともとってもかわいい。」
ミーナはカイとソラを見ても不安な様子は見せずに、ふたりの頭を撫でていく。
『くーん!』
カイとソラも嬉しそうに撫でられていった。ふたりが警戒を見せていないということは、ミーナという少女は悪い人ではないようであった。
「ミーナちゃんの子達もみんなかわいい子達だね。」
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