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ミーナがそう説明をしていると、周囲から人が集まってくる。
「一体どうしたんだ?」
そして、ミーナたちの兄でありリーダーでもある男が話し掛けてきた。
「じつは・・・。」
エリスが事の次第を説明していた。
すべての話を聞き終えた男は、ミウに話し掛けてきた。
「そうか、色々大変だったな。でも泣かないで頑張って偉いぞー。」
リーダーの男、竜人と名乗った少年はミウの頭を優しく撫でてくる。
それはいつも凌馬にされているような、力強くあるがとても優しい手付きであった。
「パパ・・・。ぐすっ。」
ミウはつい、凌馬を思い出すと泣きそうになるのを耐えていた。
「あ、あれ、おかしいな。強すぎたかな。」
ミウに泣かれそうになり、焦り出す竜人。
「もう兄さんたら・・・。ごめんねミウちゃん。安心してね、必ず私たちがお父さんを捜して見せるから。」
エリスはミウを優しく抱き締めると、背中をさすりながら慰めていた。
『竜人様・・・。』
獣人の三人、ラビア、リジィー、ティーナはジと目で竜人を見ていた。
「あはははは・・・・・・。そうだ、ご飯にしよう。お腹が空いていては良い考えも浮かばないしな。」
なにやら誤魔化すように、竜人はそう言うとその場を離れていった。
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