プロローグ

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プロローグ

「あ~あ、人生つまんねーな! ったく、部長のやつあんなことくらいで怒りやがって!」  彼の名は如月凌馬(きさらぎりょうま)。本日付で会社を退職することになった、彼女いない歴=年齢の二十六歳童貞である。  昨夜、ゲームをなかなか止められず寝過ごしてしまい、今日先方と打ち合わせがあったのにすっぽかして大目玉をくらい、勢いで会社に退職を告げてきた帰りだった。 「給料安い上に、残業代も出さないブラックの癖に。今までのサービス残業の分で今日のことなんかチャラで良いだろうが!」 《いやっ、さすがに良くないだろう。気持ちは分かるけどな!》とどこか天の声が聞こえてきそうだったが、とりあえずまた就職先を探さないとと気持ちがダウンしていた凌馬であった。  ピロピロピロ───。  メールの着信に気が付いた凌馬は、スマホを取り出すとメールを開く。 《凌馬、あんた会社を辞めたんだって? 会社から連絡があったよ。いい年して無職なんてこれからどうするの。結婚だってまだだっていうのに。とにかく一度家に帰ってきなさい。》     
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