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「ああ、とは言ってもあくまで目的はその先のヘブリッジ連邦国で船に乗ることなんだけどな。」
支配人の質問に答えた凌馬は、支配人がなにか言いたそうにしているのに気がつき、何かあるのかと尋ねる。
「実は、今ムーランス帝国はあまりよい噂を聞かないのですよ。ある筋の情報によると、何やら戦争の準備をしているとの話も聞きます。確証はないんですが・・・。」
支配人の言葉に、凌馬も少し考えてしまう。
「あっ、いえ、別に凌馬様がそんな事でどうにかなるとは思っていませんが、一応念のためにお耳にいれておこうと思い。」
凌馬はSランク冒険者。自分を低く見られて気を悪くされてはと慌てて言い直す支配人。
「いや、助かるよ。何かがあると知っておけば対応もしやすいからな。まあ、出来るだけ早くムーランス帝国を抜けることにするよ。」
凌馬はそう言って、支配人に礼を告げると「勿体ない言葉です」と返して凌馬のチェックアウトの手配をする。
そんなこんなで、そこはかとないフラグを匂わせながら凌馬たちはムーランス帝国へと入国するために国境へと出発する。
馬車での移動中、皆にも情報を共有するために支配人から聞いた話をする。
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