プロローグ

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駅チカの歩行空間。 南北の地下鉄の駅に挟まれたショッピングモールの北口方面から入って3件目。 わたしのお気に入りの店がある。 キラキラとライトアップされたショーウィンドウに、華やかな洋服が堂々とした佇まいでわたしをいつも圧倒する。 でもわたしはその中には入らないんだ。 デザイナーショップらしきそのお店は、1品1品にとんでもない……とは言わないまでも、わたしのおこずかいでは到底届かない金額が付いているのだ。 だからわたしはいつもショーウィンドウ前で立ち尽くしてしまう。 すこしでも目にヤキツケテイタクテ。 最近、このお店で若い男のコの店員が働くようになった。 20代前半くらいなのだろうか? なんとなく気まずくてその人がいるとわかった時は立ち去るようにしてる。 わたしも卒業したらこういうお店で働けたらいいのに。
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