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セレナーデ
たとえば眠れなくて一冊の本を開いたり
見逃したドラマを見たりして
睡魔が降りて来るのを待ってたり
ありふれたことをしていたら
当たり前のようにいつしか夢中になっている
でも
小さな凹みが時間を追う毎に膨らんでいくよ
やがてそれは針の差した一点の隙間になって
じりじり じりじりと大きくなっていくよ
たとえば夜空に上がる打ち上げ花火を見ていたり
光に照らされた夜雲に見惚れてみたりして
時が私を置いて流れることを忘れてたり
ありふれたことをしていたら
この夜は朝が来たら昨日になってる
でも
忘れない記憶が後から後から追い掛けて来る
全身で受け止めるには大きすぎるくらいに大きくて
しくしく しくしく心が悲鳴を上げる
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