Prologue

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 だから、魔物を討伐するのにもう、勇者はいらなくなった。優れた、選ばれし者はもういらなくなった。  だから兵士達はこぞって剣を捨て、その手に兵器を握るようになったのだ。  剣と魔法の世界に、魔法だけが進化して残り、剣は廃れていってしまった。  それを悟った僕も、剣を握るのを辞めた。  勇者になる道を、夢を、自ら閉ざした。  もうそうなる日はやって来ないと、自分が勇者と呼ばれる日はやって来ないと、確信したからだ。  だからといって、僕は兵器を握ることも無い。これは凡人の握る物であって、僕はこんな物に頼らずとも、魔物を倒す実力があるという、自信と確信があったからだ。
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