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 ファーストフード店の方が高校生には馴染み深いかのでは、と思っていただけに、連れてこられたところが個人店だったので、気に入りの店かと思ったら違ったようだ。  駅から少し離れた店は、昔情調が残る店構えも手伝ってか、お世辞にも流行っているとは言い難く、よく見つけたなと思った。  けれど、ジャンクフードを食べ慣れていない礼一からすると、ファーストフード店よりよっぽどよい。それどころか、また来たいくらいだった。  ようやく半分食べ終わったころ、明久はすでに完食していた。明久はご飯を大盛りにしていたが、さすが育ち盛りの運動部といったところだろうか、きれいに平らげていた。時間を持てあました のか、明久は頬杖をついて観察するようにこちらを見ていた。  無言の圧がかかる。早く食べろと急かしているのだろうか。しかしこうも見られていると食べづらい。  そのとき、 「……きれいに食べるんだな」  ぽつりと聞こえた。 「そう、かな?」  予想だにしなかった言葉に、一瞬反応が遅れる。礼一が返事をすると、明久は少し驚いた顔をして、それからばつが悪そうに眉をしかめると、ふいっと顔をそらした。  機嫌をそこねたようで、相づちを打たない方がよかったのだろうかと思った。     
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