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 その検査を受けた日から十日はゆうに過ぎたように思う。母の手にあるそれは、たぶん検査結果で間違いない。  礼一の視線の先に気づいた母は、観念したように息をついた。礼一に座るように促す。 「あのね、性別種判断検査の結果が届いてたのよ」  やはりそうか。  しかし母の様子が気になる。なぜこんなにも憔悴いているのか。頭痛にでもなってしまったかのように、片手で頭を押さえている。その様子にひどく嫌な予感がした。 「こんなこと……あるものなのね」  こんなこととはなにか。  鼓動が早鐘を打つ。まるで槌か何かで乱暴に叩かれたみたいな酷い音が、耳にまで伝わってきて鼓膜に鳴り響いた。  知りたいが知りたくない。  その先を促せないでいると、決心した母が重々しく口を開いた。 「礼一、落ち着いて聞いてちょうだい。ーーあなたはオメガよ」
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