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 定期的に帰ると言った兄が、待てども姿を見せない。おかしいと思って会いにきたけれど、兄に会えない。  しかしいくら待たれても、帰るつもりも、姿を見せるつもりもなかった。  そう、自分は嘘をついたのだ。ああでも言わないと、納得がいかない様子だったから。  予鈴が鳴る。それは校舎外にも響き、明久は校舎外付の時計を振り返ると、慌てて小学校の方に向かって歩き出した。  遠くなっていく後姿が、あまりに小っぽけで、頼りなくて礼一の心は揺さぶられた。  お願いだから諦めてほしい。  来る日も来る日もそう願って過ごした。  そしてある日を境に、明久は姿を見せなくなった。
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