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「止めてっ。降りる!降りるから早く止めてっ。田野倉さんとなんて……もう一緒に居たくないっ。どこにでも行っちゃえっ!バカっ!」
「え?あっ!ちょっちょっと待てって!」
信号で止まったのを良いことにドアを開けて駆け出す。
背中に聞こえたクラクションはきっと彼が鳴らされたものだ。
道路に面した大きな公園を横切り涙を手の甲で拭うと、私は近くの駅を探して走った。
走って、走って……力尽きて立ち止まる。
もう、会いたくない。
……明日から、どうしよう。
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