ヤオ・ウィック

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 しかしあのリューシャとかいう女、何故ソフィンを狙うのだろうか。そこの理由を知りたい。わざわざレガンという男に手を出してまでしてソフィンを抹消したい理由とは果たしてなんなのだろうか。  やはりリューシャは魔王軍のものでソフィンを倒せと言われ、レガンを実は洗脳していて操っているのだろうか。  私はずっとレガンとリューシャの様子を伺う。そして、ふと気付く。  リューシャは恐らく理由などないのだろう。ソフィンを倒してしまおうとするレガンを見ることが楽しみなのだろうと、冷静に考えればすぐに思いつく考えだ。まぁ、この考えはハズレかもしれない。  恐らくレガンがソフィンに対し、なんらかの思いを持っていて、それを利用しているのだろう。ああ、なんか腑に落ちた。 「カナリアは今、私の元で嘆いているわ。ソフィン、ソフィンって」 「……やはりソフィンなんですね」  先程交わされた一部分を思い出す。 「……ソフィンを殺せば、カナリアは本当に俺の方を向いてくれるんでしょうか」  俺の方を向いてくれるか。ああ、そうか。  レガンはカナリア姫のことが好きなのか。ラブなのか。そういえば、勇者一行に姫がいた時、ソフィンと姫の雰囲気は確かにいい感じだったな。確か数回ほど何冒険中にいちゃついてんのとか思ったことあるな。はっはーん、なぁるほど、完全に理解した。  レガンはカナリア姫を振り向かせようと、というか、カナリア姫と共になりたいのだ。その為にはカナリア姫の意中の相手であるソフィンは邪魔でしかならない。それを知ったリューシャはレガンのその思いに漬け込み、自らの手を汚さまいとしているのだ。  どっひゃ~。な、なんて悪い女なんだ。いやまあ見た目からして悪い女だけどね。  しかしさて、ここからは打開策を用意しなければならなくなった。ソフィン暗殺計画みたいなものを阻止しなくてはならない。  これはあくまでも私の楽しみを守るためである。それであって、決して勇者を助けるなんて良心で動いている訳では無いということを忘れてはならない。
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