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ん、んー。これは予想外。あの女、そんなにやばいやつなのか。だったらおい、王国騎士。はよ倒せや。どんだけソフィン嫌なんだよ、邪魔者扱いするなよ、仕方ないじゃんか、そりゃ王国に選ばれたとか言ってるかもしれないけど相手勇者だぜ? 勇者だよ? 勇者に王国に選ばれた騎士とか勝てるわけないじゃん立場的に。勇者って英雄だよ? もう英雄になりかねない職だぞ? そりゃ姫もソフィンのこと好きになるよね。
「ん、んふぅ、そ、そうねぇ。確かにリューシャは三幹部だけれども」
回避しなくては。どうする、魔王三幹部よりすごい立場……えッそれもう魔王しかねぇじゃん。やばいどうしよう。でもここで私の楽しみを終わらせるわけにはいかないの
だ。ぬうぅ、どうする、どうすればいい?
「アナタ、リューシャ以外の三幹部って、知ってるかしら」
そうだ、無理に上出なくてもいい。選択肢は二つある。それは―――上or同等!
「……いや、特には知らないです。まぁ、あちら側の都合もあるでしょうし、そもそも私はそういうのに関わってはいけない立場ですから」
「自覚あんじゃねぇか!」
「え?」
「なんでもない」
なんだこいつ。洗脳されてるんじゃないじゃん、自分の意思で魔王側と協力してんじゃん。オイ勇者、やっべぇの味方にしてんじゃねぇよ勇者。まだ私の方がいいだろうが、まあなる気ないけど。
「そぉね。じゃまあ少し教えてあげる。あーあ、私達、ほんとに馬鹿なことしてるわ」
私も三幹部の一人よ、なんて伝える。うん、嘘。ごめん魔王、四幹部になっちゃうね。まあ多分私の方が三幹部より使えるけど。
「そ、そうなんですか……!」
こいつ凄いな。プライド高男だと思ってたけど、権力の前にひれ伏しやがるこいつ。まさか、姫と共になりたい理由は権力欲しさじゃないだろうな。
「そう。三幹部の一人、炎天下のヤオ」
咄嗟に思いついたよくわかんない名前。
「そ、それで……そのような方が何故私に?」
「だから、言ってるじゃない。アナタはリューシャに騙されているわ」
「えっ」
フフン、勝った、勝ったぞ。私の楽しみは安全ルートを行った。後はこいつにリューシャを倒してもらえれば最高なんだが……。
「リューシャは嘘吐きのリューシャ。勇者を殺そうとしてるんじゃない。アナタを殺そうとしているわ」
私こそまさに、嘘吐き。嘘吐きのヤオ!
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