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目の前にいるのはマジな魔人。マジ魔人。真島陣。誰だそれ。次この名前にしようかなぁ。マジマ・ジン。うーん、何か嫌だな。
「俺は魔人界のトップクラスの魔人に入る魔人だ」
魔人魔人うるさいな。へぇ、っていうか聞いたことねぇよ。私魔人界出身じゃないから。何それ、魔界村かなにかなの? とは言えず、
「ほう、貴方様があのグラキオスか」
と言っておいた。グラキオスはやけに満足そうに笑いながら、「見ただけでわかるべきだがな」とか言っていた。いや、知らないんですもん。スミマセン。
「で、貴様のような下級魔人がこの魔王城に何用かね」
まさかこのグラキオス、魔王三幹部に入ってんじゃねーの? とか一瞬思った。だったらあんまり倒さないでいた方がいいよなぁ。勇者が一気に魔王に行っちゃう。まあ、リューシャやっつけたし、別にもう気にする必要も無い気がするけれど。
「いや、少し拝見したくて」
「出張かなにかか?」
「いや……その……」
阿呆なの? こいつアホなの? ねえもう絶対三幹部じゃないよね? なに、魔人界に出張とかあるの? マジ? 魔人界大変だな。
「……まあ、出張っすね」
「あ、そっスか、お疲れっス」
ウッス。
「だがこの先は三幹部様くらいしか許可無しには通ってはならぬ場でな」
あ、やっぱりお前違うのね。
「ここを通りたくば……俺を倒してからにしろ!」
えっ。
ええー…。
ま、まじで…?
「まぁ無理だろうな。この、トップクラスのグラキオスに叶う魔人などおらぬからな!」
フハ、フハハハハ! 無理だろうな、無理だろうなァ! と一人嬉しそうに笑うグラキオスを目の前に私はただ呆然とするしかなかった。
……多分すぐ倒せるんだけどなぁ。
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