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扉をどんどん開けていくと今度は赤に光る扉を見つける。また思わせぶりだろう、そんな気持ちを持ちながら足を踏み入れる。当然かというふうに扉を閉めれば扉は無くなり、再びまたあの光景へ。
「あー、ナニコレ、無駄に疲れるな」
思わずこぼすと一つの扉が開く音がした。
その扉の方を向くと、なんとも可愛らしい小さな女の子がひょっこりと顔を見せていた。およ、このパターンは初めてだな。ロリっ子登場。恐らく敵だろうから油断は禁物。
「だぁれ?」
ロリっ子のロリボイス……ロリっ子の第一声はそれだった。
「……我は魔人ムウワ」
「ぐらきおすじゃないのぅ?」
「グラキオス様とは……ウーン…友人関係に当たる」
そういうことにしといてね、グラキオス。
「ふぅん。そぉなの。いがぁーい」間延びした声。「ぐらきおす、おともだちなんていないとおもってたぁ」
うん、あの感じはいなさそうだよな。分かる分かる。
「で、貴様は何者かね?」私はそれっぽく聞いてみた。「こんな所にいるなど、怖くてたまらないだろう」
「こわくないよぉ。だってここ、みぃがつくったばしょだもの」
あー、うん。あー、なるほど、理解した。
「なまえは…みすとれあむす、ぐらんでぃおっそ、せるぷるむーれ」
なるほど、ミストレアムス・グランディオッソ・セルプルムーレというのか。長い!
「まおーさんかんぶのひとり」
おぇー、まじか。……えっ魔王こんな幼気な女の子を三幹部級に? 大丈夫?
「まおーさま、みぃなんてよわいものをさんかんぶにするなんて、どうかしてるの」
毒舌かよ。
「でもみぃはたたかわなくていーの。だからさんかんぶなの」
「戦わなくていいのに三幹部? 一体どういう?」
「みぃはただここをえいえんにつくっていればいーの。みぃはここに永遠にいたらいーの。みぃはずと、ずぅーとここにいたらいーの」
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