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省略。
「ムウワ?」
またもや声。ところが今までとは遥かに違う。そう、完全に大人の声。
「ミストレアムス…?」
「嬉しい、覚えてくれてたの?」
オイまじか。なんだこれ。
ばっと後ろを振り向けば、まあ皆さんご存知お初だけど見覚えがある女性。そして予想通り、それは15歳ミストレアムス――中ロリミストレアムスからさらに成長していて、まあちょうどわかりやすく25歳くらいだろうか、大ロリミストレアムスがいた。もうロリじゃないね。
「久しぶり、ムウワ。相変わらず変わってないね。ね、またおいでよ」
いやそんなにナチュラルに勧められても。まあ入らないわけにはいかず、再びまたたびお邪魔する。
部屋はかなり落ち着きを持っていて、所々に可愛らしいぬいぐるみとかが置いてあるだけになっている。部屋といい見た目といい、おとなのおねえさんらしくなってるなぁ。
「はい、今度は上手に食べれる?」
はいあのバスケットォ? うん、怖いわぁ。今度は頭の中にクッキーを想像してみよっと。クッキー、クッキー。そしてバスケットの中に手を入れ、すくい取る。すると「おお!」なんと手には頭にあった通りのクッキーが出てきた。
「あっ、ムウワ、上手になったね! おめでとう!」
なるほど、頭の中に思い描いていくと出てくるのか! 面白い! 「またやってもいいか?」
「うん、いいよ」
今度はケーキを想像してみる。想像を完璧に、明確に想像。中身のイチゴとか、スポンジのはね具合とか。ムゥゥウ!
「わっすごい! ムウワ上手!」
フフン、なんのこれしき。手元には大きなお皿に乗せられたホール型の美味しそうなケーキ。私、上手い。
ミストレアムスは感動しながらひょいひょいとバスケットの中からマカロンを複数用意して、お皿に可愛く盛り付ける。女子力高いね。
「じゃ、食べよっか、一緒に!」
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