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「いかにも、僕が勇者ソフィンだ」
ソフィンと女騎士のシェリーがいつも通り、嬉しいような、困ったような顔をしている。うん、私はこれを見るために生きている。最高だぜ、この表情!
ところが、得体の知れない黄金騎士はぶっきらぼうにこちらを睨んでいた。目付きの悪い私でも悲鳴をあげたくなるくらいの目付きの悪さ。怖い。
「勇者と聞いてな。この俺も、是非同行しようかと思ってだな」
私は相変わらず変なキャラで挑む。
「どこのものか知らぬが、身の程知らずも程々にしろ」
フッ、予想通り。黄金騎士の男が絡んできた。
「身の程知らずではない。俺には実力がある。なんなら合わせてみるか?」
ああ、楽しい! こうやって、邪魔される(?)展開も悪くない! いいぞ、お前いいぞ黄金騎士!
「貴様、名すら名乗らぬとは、本当に馬鹿のようだ」
「フッ、いいだろう。俺の名は、フェルナイン・アルカードだ」
「知らぬ名だな…まあいいッ!」
シュッと素早く黄金騎士は腰にある剣を抜く。流石黄金騎士。剣までもが黄金。眩しすぎるぜ黄金剣。「ほう。お前、名乗らないのか。お前の方が身の程知らずで馬鹿なんじゃないのか?」
ぜひ名前を教えてくださいお願いします。そもそもいつお前味方になったんだよ、多分タイミング的に私がスタンバイのために村に入った直後にここら辺で合流したんだろう。つまりそれは勇者が旅立った地、王国アルシャワルの騎士だろう。つまりは、この黄金騎士と入れ替わるようにしてメンバーから去った姫の側近かなにかか? なんかすごいいいイベント起きそうでソワソワする。
「貴様、知らぬのか、この俺の名を!」
知らん。
「俺は王国アルシャワルの騎士、レガン・ビスフォード。王国に選ばれた最高の騎士だ!」
選ばれた騎士、レガンはそう叫んで剣とともに突進してくる。
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