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披露の儀も終わって、なんとなく間延びしたような日常。私はあまりに退屈で、大きな欠伸をしていた。
「お暇ですか、春華様」
「あぁ、李燕。うん、けっこう暇してるんだよね」
色んな勉強も教えてもらっているけれど、今はそれも減ってきた。最初に熱心にやりすぎたかな。
李燕は何やら思案顔。そしてふと、明るい笑みを私に向けた。
「よろしければ今から、お買い物に出かけませんか?」
「買い物?」
突然の提案だったけれど、私の気持ちはかなり浮上した。この世界に来て買い物に出るなんて、しかも女子同士でなんて始めてだ。
「実は数件、行きたい店があったのです。気分転換に、いかがですか?」
「行く!」
「では、準備いたしますのでお待ちください」
そう言うと李燕は退室してしまう。私は引き出しの中からお財布を取り出して手さげに入れた。ほんの少しだけれどお小遣いを貰っているのだ。
程なく準備を終えた李燕が戻ってきて、私は一緒に離宮を出て行った。
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