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こうして買い物をして、ついでにあちこちの店先をひやかしていると、不意に感じの違う店を見つけた。
雑貨屋さんだと思うけれど、扱っているものが珍しかった。
「この店、なに?」
「さぁ? ですが、他部族の物を扱っている店のようですわね」
「他部族?」
そう言えば、この世界には龍だけが住んでいるわけじゃなかった。玄武や朱雀、それに白虎も住んでいて、交流がある。
「あ、これ可愛いかも」
それは色んな水晶を削って作っている小さな動物だった。紐のような物がついているから、多分根付なんだと思う。前に紫廉に買ってもらったのと同じ感じだ。
「本当だ、可愛いですね!」
李燕の瞳が可愛らしく輝く。案外こういう物が好きなんだろうな。女の人だしね。
「兎と、猫と、犬と、鳥と…馬もあるね」
「水晶に、翡翠、柘榴石、蒼玉、瑠璃。それに、藍玉ですわね」
おう、分からない名前の宝石ばかりだ。っていうか、宝石って基本カタカナだしな。
水晶と翡翠は分かるか。多分赤いのはルビー、濃い青いのはサファイア、濃い青に混じりけのあるのは…ラピスラズリ? そんでもって水色のはアクアマリンかな?
「玄武の里の周辺で産出されるものですわね」
「そういえば、璃玄さんの店にも沢山宝石あったっけ」
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