街中デート

2/4
前へ
/241ページ
次へ
 そして約束の日、私は待っていた藍善を見てドキドキした。  青と白を基調にした私服は、見慣れていない分キラキラが二割増しだ。普段軍の服しか見ていないから余計だろうか。  深い青地の服に白い染で龍が描かれた服は、長身で体格のいい彼にとても似合っている。 「おはよう、春華殿」 「おはよう。なんか、素敵だね」  私が言うと、藍善は少し恥ずかしそうな顔をした。 「似合わないだろうか?」 「まさか! 凄くかっこいい。っていうか…ちょっとドキドキしてるかも」  なんて言うか、目のやり場に困る。この人とこれから出かける図を考えると、女性の視線が凄そうな気がする。  藍善は困ったように笑い、自分の姿を見下ろしていた。 「出かけるのだから、それなりの服装をと思ったのだが…俺はあまり拘りがなくて、どうしたらいいかと苦慮してしまった。おかしなところがあれば、教えてもらいたい」 「素敵だよ、藍善。いつもとてもカッコいいと思ってるけれど、今日はそれに磨きがかかってるっていうか」  本当に、理想の騎士様みたいですよ。  苦笑した藍善はそれでも、私に手を差し伸べて連れ出してくれた。     
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

118人が本棚に入れています
本棚に追加