29(承前)

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 アイスティをひと口飲んで、混血児は笑った。 「ぼくは危険な賭けに勝った。でも、タツオだって負けていない。あれだけ粘れたのは作戦部だって想定外だったはずだ」  もうそんな上の評価などどうでもよかった。 「どうやったんだ?」  ジョージが氷をひとつ口にいれていう。 「ほとんどはタツオと同じだよ」 「あの行って戻る作戦か」 「そうだよ。最後の最後まで敵に持久戦だと信じこませて、粘りにねばった。それでぼくだけ自分の陣地に戻らずに、身体中にススキの穂を刺して待機していた」 「アンブッシュかあ……」  AMBUSHは待ち伏せである。
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