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「敵がじれて総攻撃をかけたところで、ぼくは背後から4足歩行のロボットを襲った。自動小銃の銃弾を10発叩きこみ、敵の隊旗を獲ったんだ」
そういうことか。もし自分のチームでその作戦を考案したとしても、実行は不可能だろう。優れた隠密能力と胆力、抜群の戦術眼に戦闘力すべてを兼ね備えた兵士が必要なのだ。そんなことができるのは、訓練生のなかにはジョージしかいない。ジョージというオールマイティのカードを持たなければ無理な奇襲戦法だったのである。
「そういうことか。もう悔しがるのも馬鹿らしくなった」
遠くのテーブルから、クニが手を振って寄越した。ジョージがカウンターから振り返す。タツオはいった。
「養成高校の頃の模擬戦を思いだすな。あのときもジョージは自分の戦闘力の数値を入れた兵士で敵の隊旗を奪ったんだった」
「そうだね、あれは痛快だった。カザンがひどく腹を立てていたね」
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