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そのカザンはもう生きてはいない。自分たちも半年後には本土防衛の決戦に駆りだされるのだ。タツオはいった。
「ジョージ、頼むからぼくが戦うときは、そばにいてぼくを助けてくれ。きみがいなければうちのチームは戦力半減だ」
今度はマルミが手を振ってきた。タツオも振り返す。ジョージが目配せをしていう。
「あんなに優秀なメンバーが揃っていても?」
タツオも笑った。
「ああ、そうだよ。ぼくの副官はジョージしかいない。まあ、ぼくがジョージの副官でもぜんぜんかまわないけど」
こんなとき大人は酒が飲めてうらやましいとタツオは思った。ジョージの勝利を祝って、飛び切りの酒で乾杯したい気分だったのだ。
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