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「そうそう、おれたちだってがんばったじゃないか。あの時点で生き残りはジョージのとことおれたちだけだろ」
クニがフォークでタツオを指さしていう。ジャクヤが皮肉に笑っていった。
「生き残ってたんは、ぼくだけやけどね」
テルの金属製の軍用義手は器用にワイングラスの細い支柱をつまんでいる。
「誰かさんは霧の呪術を使ってから、くたびれてへろへろだったけどな。機械の犬の乗り心地はどうだった?」
ジャクヤは銀の目を光らせて、テルをにらんでいる。
「はは、王将の乗り心地は抜群や。いつかテルにぼくの呪術の実験台になってもらいたいもんやな。そしたら、君を犬にしたるよ」
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