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豪華な夕食は終わりにさしかかった頃、士官用食堂にジョージがやってきた。タツオが手をあげると、まっすぐこちらにくる。クニが声をかけた。
「なんだよ、もうすこし早くくれば、タツオが神戸牛のステーキおごってくれたのに。すげえうまいぞ、このサーロイン」
無理もなかった。植民地戦争が始まってから、牛肉は配給制になっている。とくに質の高い品は進駐軍関係か政府の高官でなければ手にはいらなかった。ジョージは空いている席に座るといった。
「ぼくは肉はたくさんだ。今日はたくさんの死体を見たからね。模擬戦でも人が死ぬのは嫌なものだ」
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