29(承前)

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 タツオは思い切って声をかけた。 「ジョージ、ふたりだけで話をしたいんだが」 「なんだよ、食事の途中なのにおれたちをおいて、男ふたりでデートかよ」  クニがそういうと、サイコがちらりとタツオに視線を向けたが、すぐにそらしてしまう。ジョージは穏やかに笑っていった。 「わかったよ。ぼくもタツオと話をしたいと思っていた」  タツオは純白の糊(のり)の効いたナプキンで口元をぬぐうとダイニングテーブルで立ちあがった。
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