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明るい茶色の髪をかきあげて、ジョージが笑った。
「勝てたらおもしろいなと思ったよ。タツオの1軍と違って、ぼくの指揮する4軍は各チームからの寄せ集めだ。誰も期待してなどいない。だから逆に奇手が可能だった。失敗しても責めるやつなんていないから」
ジョージが上品に肩をすくめた。こんなジェスチャーをすると、やはりエウロペの血を感じない訳にはいかない。
「進駐軍の作戦会議でも、きっとタツオの持久戦法が支持されたと思う。あの状況では最もオーソドックスな戦いかただったから」
ジョージが裏表なくそういってくれているのはよくわかった。だがタツオの胸は晴れない。
「だけどジョージは勝ち、ぼくは敗れた」
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