あの店からの、リスタート

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小瓶に書かれた注意書きを読み終え、ななこはゆっくりとキャップを空ける。 「……」 目を閉じて、小瓶を顔に近づけ、円を描く。 ななこの脳裏にふんわりと映像が浮かんでくる…… 中世のヨーロッパを思わせる、大きなお城の中。 高齢の美しい女性が、煌びやかな青いドレスに、高級そうな皮手袋をはめている。 その皮手袋をそっと外し、寂しそうに指先を見つめた。 「…………だわ」 「王妃さま、少し休まれますか?」 そば付きの侍女が高齢の女性を気遣った。
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