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「……ローズマリー、とても良い香りでしょう?」
イケメン店員に話しかけられ、ななこはハッとした。
「あっ……ええ。とても……ステキな香りですね……」
「僕も、大好きな香りなんです。ちょっとキリッとしてますよね。良かったら、サンプルがあるのでご自宅で試してみて下さい」
そう言ってイケメン店員は、小瓶よりも更に小さなミニミニ瓶に入ったローズマリーと説明書を手渡した。
「……精油との出会いは、恋人との出会いにも似ています。だからアロマテラピーショップは、素敵な出会いの場所でもあるんですよ、なんてね」
イケメン店員は、いたずらっぽく言った。
「このローズマリーは、あなたにとって特別なものになるのかもしれません」
「……。あ、あの、ありがとうございます」
ななこは、顔が熱を帯びているように感じ、足早に店を後にした。
(特別なものになるって、どういう事かなぁ……?)
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