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「ぐはははははは なんていい眺めだ どうだソフィアちゃん! あの哀れな女騎士はソフィアちゃんを吾輩から守る為にあんなおぞましい目になっとるんだぞ!ねぇ 今どんな気持ち?」
「あぁ...シグレ... ごめんなさい ごめんなさい」
出会った時から自分を守ってきた女騎士の末路に泣き崩れるソフィア。
二人の出会いは数年前 ソフィアは国民の声を汲み取るために定期的に城下におり巡回する活動を行ってきた。
この日はオークとの最前線 魔の森との境界線の砦にも足を伸ばした。この危険を顧みない姫の行動に前線の兵士たちの士気も大いに上がった。
姫が砦の窓から顔を出すと 何者かがフラフラと魔の森から歩いてくる。
兵士たちに緊張が走るがその者は 弱りきっているのか砦と森の丁度中間で倒れてしまった。
「大変!!助けなくては!」
「姫様危険です!!」
ソフィアは周りの静止も聞かず砦を飛び出しその者に駆け寄る。
「大丈夫? ...うっ!」
気絶しているその者は身体の特徴的にダークエルフである事は一目瞭然だが全身からなんとも生臭い異臭を放つ白い粘液に塗れていた。
「可哀想に恐らくコイツはオークに襲われたのでしょう」
近衛兵が顔をしかめながら ソフィアの遠ざける。エルフとダークエルフは親戚のようなものだが価値観の違いからあまり両種族間の中は良くない。
だがこの美しく気高い姫は そんな汚物に塗れたダークエルフを衣服の汚れも気にせず抱き上げる。
「まだ息があります!何をしてるの早く医療班と湯浴みの支度を!早く!!」
「はっ ははぁ!」
姫の見せたことの無い気迫に慌てて支度する近衛兵達。こうした姫の行動によりこのダークエルフ シグレは救われた。
「......ここは?」
それから数時間後 シグレは目を覚ました。
「気が付きましたか!良かった。ここはリーフィアの砦です あなたは魔の森から来たのですけど いったい何があったのですか?あなたのお名前は?」
「私は シグレ...リーフィア?魔の森? 何も覚えてない...」
「これはいったい...」
砦の医者の見立てではシグレの頭には棍棒で殴られた様な後があり恐らくオークにやられたのだろう。
「可哀想に 生まれた村など思い出せればそこまで送って差し上げるのに」
その時だった!!
「敵襲ーーーー!」
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