囚われの女騎士

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ソフィアとシグレのいる砦にオークの軍勢が攻めてきた! オークの攻勢は規則性が無くいつ攻めてくるかわからない。 雑といえば雑な軍勢だがいつ来るかわからない事と毎回人数なども違うので対策が立てにくい。 そしてこの日は運悪く大軍勢が押し寄せてきた。 「姫様が砦におられる!皆!必死に守れ!!!」 兵団長が激を飛ばすが如何せんエルフ族は余り戦闘の得意な軍勢では無い。毎回苦戦されられるが今までは何とかしてやり過ごしてきたが、この日押し寄せた軍勢はいつもより遥かに多い。 打って出た兵士たちは蹴散らされ城門をぶち破ろうとするオークが殺到して来た。 その轟音はソフィアとシグレのいる医務室までも震わした。そこに近衛兵が飛び込んできた。 「姫様お逃げ下さい。まだ間に合います!」 その近衛兵も負傷している。だが姫は逃げようとしない。 「皆さんを見捨ててはおけません!私もエルフの端くれ 回復魔法位使えます。 私も何かお手伝いを」 「しかし!」 ドゴン! ドゴン! 城門を丸太で叩く音が聞こえる。グズグズしていては門を破られるのは時間の問題だ。 「それよりこのシグレさんを逃がしてあげてください!怪我をしているので丁重に」 シグレは思った。幼いがなんと気高い姫であろうかと 記憶もない何処の馬の骨とも知れぬダークエルフの為にこんなセリフを言えるとは。 しかし所詮は箱入りのお姫様 気丈に振舞っていてもその華奢な手は震えていた。 守ろう。自分は何者かは忘れてしまったがこの気高い姫は何としても守らねばならない。そしてどうやら自分にはその力があるようだ。忘れていても戦の雰囲気に本能が疼く。 「お姫様 その回復魔法 私に掛けてくれないか!」 「えっ!」 「大丈夫!ダークエルフは受けた恩義は必ず返す!信じろ!」 「...わかりました…けど無理しないで!」 「天にあらせられる癒しの女神よ この者に少しの祝福を ルナオール!!」 優しい光に包まれるシグレ。力が漲る! 「借りるぞ!」 近衛兵からハルバードをひったくると窓から戦場に降り立つシグレ! その瞬間シグレは一筋の閃光となりあっという間にオークを殲滅してしまった!
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