エピローグ 海

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 その流れの中で小夜子は思う。  小夜子は聡子たちと世間話をしながら、故郷の金色に輝く海を心に思い浮かべていた。  すると、不思議と心が落ち着いてくる。  で、出した答えが《面倒くさい!》だった。  (箱は狭くて窮屈だけど、海はどこにでも繋がっていく。なにもかも片付けんでも、残りは息子がどうにかするやろう)  いささかずるい気もしたが、まるで途中で大晦日の大掃除を放り出したような、それでいてせいせいしたような、心残りのような、でも気が楽になったような……。  (まるでグラグラした天秤やな。人は波間に浮かぶ箱やけど、数が多けりゃ孤独じゃない。箱作の駅から電車に乗って、そこからいくつかの乗換えで青春の思い出の場所へ行くわけや、不思議と後ろ向きやけど退いている気はせんな)    そう感じる小夜子だった。                                   了
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