処刑台とダレン

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「陛下、」 エリアスの手は血に染まっている。 バイルシュミット卿の血だろう。バストリーニ卿の治療を手伝ったのかな? 「エリアス、手を」 水の魔法で洗い流してあげようかな、と手を出すように促す。 「いえ、洗ってきます。」 「・・・うん。わかった。」 催促して無理矢理洗うこともできたけど、エリアスにも1人で考える時間が必要かもしれない。いや、考えたいのは私の方かも? エリアスはとぼとぼと歩いて行く。 やはり昔から良く知る人が負傷しているのを見て傷ついているようだ。 「到着まで時間がかかりそうだ。」 スヴェンが言った。 恐らく犯人とナイトのことだろう。 なんだろ、揉めてんのかな。 迎えに行こうかな、、、いや、余計な事はしないでナイトに任せよう。 「よいしょ」 「そんなところに座るな」 砂の地面に座るとスヴェンが言った。 「いいんだよ、これで。なんなら寝ころんじゃうもんね〜」 ごろりと寝転ぶときれいな青空が目の前には広がっている。 心は晴れないけど。 視界の端にはスヴェンがうつっている。 スヴェンは やはり休んできたほうが良かったじゃないか! と思ってるだろうな。 「スヴェン、ナイトが着きそうになったらピピピピ!ピピピピ!って言って教えて。」  目覚まし時計みたいにね。 「ふんっ」 スヴェンは馬鹿にしたように鼻で笑う。 でも、少し微笑んでいたりするのだろうな。
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