2/2
前へ
/9ページ
次へ
夢は願いであり、叶えたいこと。けれど夢は今も夢のままでいる。虚しさなど湧きはしない。悲しみの類など、もう湧かなくなっている。ただあるのは寂しさで、根底にあるのは諦めで。求めれば求めるほど、世界は自分からずれていくような感覚がする。自分は夢の世界にずぶずぶ入り込もうとしているんじゃないか。そんな気がしてならない。存在しない架空の世界に魅せられ誘い込まれ、現実の世界にある自分の存在を危うくしている。このままでは私は消えてなくなってしまう。あぁ、夢の世界は悪魔の見せる悪夢なのか。囚われてから悪夢と気づいても、その頃には既に現実の私は殺され、夢の世界で生きることしかできなくなっているだろう。 それもまた幸せなのかもしれない。その方が幸せかもしれない。幸せになれるのならどこでだっていい。 違う、嘘だ。 私が望んでいるのは、ここでの幸せだ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加