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「次は、俺が仕立ててやる」
「え?」
「お前の婚礼衣装は、俺が贈りたい」
「……は、はい」
「あの双子に張り合われてしまいそうだがな。その時は途中で着替えて二着着ればいい」
ナージュは顔を真っ赤にしてテンゲルの胸に顔を埋める。嬉しくて、幸せすぎて、どうしていいのか分からなかった。
「どうした?」
「……いいえ……。こんなに幸せでいいのかなって、思って……」
「ナージュ……」
小さく零れ落ちたその言葉に、テンゲルは息を吐き出した。そして繊細なドレスの背中にある紐を無言で解いていく。「テンゲル様?」と焦った声を上げるナージュの首元に触れてアクセサリーを外し、寝台脇の小さなチェストに置くと、あっという間にシュミーズだけにしてしまう。
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